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胸郭運動システムの再建法
―呼吸運動再構築理論に基づく評価と治療 第2版【Web動画付】

編集
:柿崎藤泰
ページ数
:320頁
判型
:B5判 4色
ISBN
:978-4-908933-06-6
定価
:6,600円(本体6,000円+税)
発行年
:2017年5月


(送料無料)


内容

 Web動画で繊細なテクニックとその効果までが鮮明にわかる最新作

 胸郭運動システムの再建は、胸郭から脊柱を介して骨盤帯に、また骨盤帯から脊柱を介して胸郭に運動連鎖を引き起こし、間接的に下肢または上肢などの末梢部の肢位や運動方向を機能的に正常に戻す手技である。本手技の要となる胸郭は、その形状も解剖書にみられる左右対称とは現実的には異なり、健常人および疾患をもつ者すべてが非対称である。この非対称を限りなく左右対称に近づけた場合、姿勢や動作に調和が生まれる。これを胸郭運動システムの再建と呼び、近年の研究でさらなる有効性が明らかになってきている。

 第2版では、日進月歩で進化している本手技の中核をなすポジショニングの大幅な変更や高齢者における予防や症例に対するアプローチを追加。さらには最新の研究データに裏打ちされたメカニズム解明から治療応用までを豊富なカラー写真と動画で、前書を超えて理解可能とする。特に呼吸器官である胸郭を運動器官として捉え、今までの盲点を突き、破綻した呼吸や姿勢活動を再建する、新しい知見と臨床技術が獲得できる真の実践書である。

目次

第Ⅰ章 胸郭運動システムとは  柿崎藤泰
1.胸郭運動システム
  • ・胸郭運動システムの概念
  • ・胸郭運動システムの異常
  • ・胸郭運動システムの再建
第Ⅱ章 胸郭運動の特徴  柿崎藤泰
1.胸郭の機能的特徴
  • ・胸郭の機能的特徴
2.胸郭の3つの運動パターン
  • ・上下の関係をもつ胸郭運動
  • ・左右の関係をもつ胸郭運動
  • ・対角線の関係をもつ胸郭運動
第Ⅲ章 胸郭運動システムの概要  柿崎藤泰
1.胸郭のアライメント
  • ・胸郭表面でみられる「うねり」形状
  • ・胸郭アライメントの評価方法
2.肋椎関節の可動性
  • ・可動性を決定づける要因
  • ・機能的意義
  • ・肋椎関節の柔軟性の高まりによって起こる筋機能低下の一例
3.骨盤運動と胸郭運動の関係
  • ・胸椎から仙骨までの配列
  • ・寛骨と仙骨の連鎖
  • ・胸郭に対する骨盤の回旋-屈曲向上メカニズムと伸展向上メカニズム
第Ⅳ章 胸郭運動システムの再建にかかわる中心的要素  柿崎藤泰
1.下位胸郭の内方化
  • ・下位胸郭の内方化(wrapping action)とは
  • ・2種のwrapping action
  • ・左側内腹斜筋と外腹斜筋のtask switching
2.胸郭形状と腰形筋との関係
  • ・左側腰方形筋の運動関与と胸郭のニュートラル化
  • ・左側腰方形筋の活動が胸郭のニュートラル化を引き起こすメカニズム
  • ・Wrapping actionにおけるtask switchingと左側腰方形筋の運動関与
  • ・腹臥位での左側下位胸郭と浮遊肋に対するアプローチ
  • ・側臥位での左側下位胸郭と浮遊肋に対するアプローチ
3.胸郭形状をニュートラルにするためのポジショニング
  • ・目的
  • ・背臥位での胸郭形状のニュートラル化
第Ⅴ章 機能解剖学的視点からの胸郭と体幹筋の関係
1.インナーユニット(主に横隔膜) 石塚達也
  • ・胸郭運動システムにおけるインナーユニット(主に横隔膜)の役割
  • ・臨床上で観察されるインナーユニットの病態
  • ・評 価
  • ・胸郭運動システムの再建につながる考え方
2.広背筋と下後鋸筋 茂原亜由美
  • ・胸郭運動システムにおける広背筋と下後鋸筋の役割
  • ・臨床上で観察される広背筋と下後鋸筋の病態
  • ・評 価
  • ・胸郭運動システムの再建につながる考え方
3.腰方形筋 本間友貴
  • ・胸郭運動システムにおける腰方形筋の役割
  • ・臨床上で観察される腰方形筋の病態
  • ・評 価
  • ・胸郭運動システムの再建につながる考え方
4.腰部多裂筋 本間友貴
  • ・胸郭運動システムにおける腰部多裂筋の役割
  • ・臨床上で観察される腰部多裂筋の病態
  • ・評 価
  • ・胸郭運動システムの再建につながる考え方
5.大胸筋と僧帽筋下行部線維 柿崎藤泰・西田直弥
  • ・胸郭運動システムにおける大胸筋と僧帽筋下行部線維の役割
  • ・臨床上で観察される大胸筋と僧帽筋下行部線維の病態
  • ・評 価
  • ・胸郭運動システムの再建につながる考え方
6.前鋸筋と外腹斜筋 藤原 務
  • ・胸郭運動システムにおける前鋸筋と外腹斜筋の役割
  • ・臨床上で観察される前鋸筋と外腹斜筋の病態
  • ・評 価
  • ・胸郭運動システムの再建につながる考え方
7.腹部前面4筋 藤原 務
  • ・胸郭運動システムにおける腹部前面4筋の役割
  • ・臨床上で観察される前鋸筋および外腹斜筋の病態
  • ・評 価
  • ・胸郭運動システムの再建につながる考え方
8.脊柱起立筋群(表在筋) 多米一矢
  • ・胸郭運動システムにおける脊柱起立筋群(表在筋)の役割
  • ・臨床上で観察される脊柱起立筋群の病態
  • ・評 価
  • ・胸郭運動システムの再建につながる考え方
9.頸部筋群 小関泰一・平山哲郎
  • ・胸郭運動システムにおける頸部筋群の役割
  • ・臨床上で観察される頸部筋群の病態
  • ・評 価
  • ・胸郭運動システムの再建につながる考え方
10.肩関節周囲筋群 柿崎藤泰・西田直弥
  • ・胸郭運動システムにおける肩関節周囲筋群の役割
  • ・臨床上で観察される肩関節周囲筋群の病態
  • ・評 価
  • ・胸郭運動システムの再建につながる考え方
11.菱形筋と上後鋸筋 西田直弥
  • ・胸郭運動システムにおける菱形筋と上後鋸筋の役割
  • ・臨床上で観察される菱形筋と上後鋸筋の病態
  • ・評 価
  • ・胸郭運動システムの再建につながる考え方-右側肩甲骨内転運動
第Ⅵ章 胸郭運動システムの再建を行うための糸口
1.肩と胸郭の関係 柿崎藤泰・藤原 務・西田直弥
  • ・定型的な胸郭形状と肩甲骨アライメント
  • ・相反する肩甲骨アライメントを産生する理由
  • ・肩甲骨周囲筋の特徴的な動き
  • ・肩甲帯からの理学療法介入のポイント
  • ・肋骨回旋テスト
  • ・肩甲骨アライメントおよび肩甲胸郭関節の評価
2.足部と胸郭の関係 柿崎藤泰・石塚達也
  • ・足部と上下の関係をもつ胸郭運動
  • ・足部と対角線の関係をもつ胸郭運動
第Ⅶ章 パフォーマンスの向上
1.スポーツ 藤原 務
  • ・胸郭運動システムの再建がスポーツに与える影響
  • ・前額面
  • ・矢状面
  • ・水平面
2.呼吸 平山哲郎・柿崎藤泰・石塚達也
  • ・呼吸パフォーマンスの概念
  • ・胸郭運動システムからみた呼吸パフォーマンスの概論
  • ・胸郭運動システムを考慮した呼吸評価
  • ・胸郭運動システムを応用した理学療法の実際
3.高齢者の転倒予防 小関泰一・多米一矢
  • ・胸郭運動システムにおける高齢者の転倒予防
  • ・臨床上で観察される高齢者の特徴とその評価
  • ・胸郭運動システムを応用した理学療法の展開
第Ⅷ章 胸郭運動システムを用いた臨床例
1.頸椎側屈動作により左上肢痛と痺れを呈する頸椎椎間板ヘルニア症例 川﨑智子
2.変形性肩関節症を呈しリバース型人工肩関節置換術を施行した症例 小林弘幸
3.伸展向上メカニズムを用いた立ち上がり動作の改善 真水鉄也
4.腹横筋・多裂筋機能不全を呈した非特異的腰痛症例 笹川健吾
5.胸椎後弯位の悪化により腰椎部に圧潰ストレスが加わった第5腰椎圧迫患者に対する症例東 理歩 
6.歩行時に左股関節の疼痛を呈する腰部脊柱管狭窄症 廣澤 暁
7.膝関節のコントロールに対する理学療法の一考察 土屋博貴
8.胸郭と足部の関係から展開する膝関節痛を呈する症例 林 美緒
9.歩行時の転倒リスク軽減を目的とした治療戦略 西江謙一郎
10.座位姿勢の悪化により呼吸パフォーマンスの低下を呈するCOPD症例 荒牧隼浩

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