養成校・教科書では教えてくれない‼
脳卒中リハの落とし穴100―成功への一歩
- 著者
- :大村優慈
- ページ数
- :268頁
- 判型
- :A5判 2色
- ISBN
- :978-4-908933-04-2
- 定価
- :3,520円(本体3,200円+税)
- 発行年
- :2017年4月
(送料無料)
内容
“目からウロコ、なるほど、なっとく”の脳卒中アプローチ 厳選100!!
セラピストは、脳卒中者に対して適切な機能評価、リハビリテーション介入を行う責務がある。しかし、養成校や教科書から学んだ知識だけでは十分に対応することができず、“不適切な機能評価やリハビリテーション介入”が行われてしまうケースも少なからず存在する。このような悲しい現実に、待ったをかけたのが本書である。
本書は、臨床現場で特に陥りやすいと思われる項目を厳選し、失敗例と“成功への一歩”について、平易な文章と分かりやすいイラストを用い、誰もが理解しやすいように解説された秀逸な一冊である。このような“臨床の落とし穴”というべき存在から逃れるために、ぜひ本書を一読し、明日からの臨床に活用してほしい。
目次
脳画像の落とし穴10
- その1 診断名だけで機能障害を予測していないか
- その2 読影する脳画像の種類を根拠なしに選んでいないか
- その3 病巣の大きさだけで重症度を判断していないか
- その4 脳画像だけで予後予測できると思っていないか
- その5 脳画像は水平にスライスされていると思っていないか
- その6 脳領域の同定を漠然と行っていないか
- その7 中心前回=運動野だと思っていないか
- その8 淡蒼球を内包後脚と見誤っていないか
- その9 運動麻痺は中枢部より末梢部のほうが重いと思っていないか
- その10 小脳失調の責任病巣は小脳だけだと思っていないか
リスク管理の落とし穴10
- その1 リスク管理の優先順位が2番目以下になっていないか
- その2 次の安全地帯までの流れを想定せずに動作を開始していないか
- その3 靴の着脱介助の際に患者の上半身から手を離していないか
- その4 患者が端座位の状態で車いすを動かしていないか
- その5 歩行テストの際にストップウォッチに気をとられていないか
- その6 着座前の方向転換で患者の麻痺側から離れていないか
- その7 麻痺側についてさえいれば転倒を防げると思っていないか
- その8 患者の病室の環境設定を忘れていないか
- その9 脈拍だけで運動負荷や疲労の評価をしていないか
- その10 電子血圧計に依存していないか
高次脳機能の落とし穴10
- その1 観念運動失行に配慮せずに動作指示をしていないか
- その2 話せない患者=失語症とみなしていないか
- その3 高次脳機能障害を考慮せずに感覚検査を実施していないか
- その4 視覚失認を見逃していないか
- その5 基盤的認知能力にそぐわない介入になっていないか
- その6 残存機能による代償は悪と決めつけていないか
- その7 プッシャー現象患者の姿勢を修正せずに動作練習を行っていないか
- その8 一様に「顔を上げて歩く」ことを求めていないか
- その9 一度に多くの指示を出しすぎていないか
- その10 リハビリテーション時間だけで練習内容を定着させようとしていないか
運動・感覚機能の落とし穴10
- その1 腱反射・病的反射の意義は錐体路障害の確認だけだと思っていないか
- その2 痙縮は上位中枢からの抑制障害のみで生じていると思っていないか
- その3 片麻痺では非麻痺側での片脚立位に問題は生じないと思っていないか
- その4 運動量は不足していないか
- その5 定量評価を怠っていないか
- その6 筋収縮による位置覚の代償を見落としていないか
- その7 感覚脱失=歩けないと思っていないか
- その8 視野検査は上下左右の4方向で行えばよいと思っていないか
- その9 疼痛を惹起・増悪させていないか
- その10 物理療法と装具療法を忘れていないか
装具の落とし穴10
- その1 装具の費用を心配しすぎて作製を躊躇していないか
- その2 作製する装具の仕様があいまいになっていないか
- その3 履きやすさや外観を軽視していないか
- その4 自宅での使用を見越さずに作製していないか
- その5 将来的な歩容や下肢の状態の変化を想定せずに作製していないか
- その6 装具完成まで歩行練習を見送っていないか
- その7 装具を履くのがリハビリテーションの時間だけになっていないか
- その8 痙縮で踵の位置がずれていないか
- その9 長下肢装具の装着,起立,着座の介助で失敗していないか
- その10 患者に装具のメンテナンス方法を伝え忘れていないか
福祉用具の落とし穴10
- その1 T字杖やシルバーカーも介護保険の対象だと思っていないか
- その2 バランス機能だけで杖を選定していないか
- その3 歩行器が重く大きいのは仕方がないと思っていないか
- その4 ベッドマットレスを軽視していないか
- その5 ベッド柵は何でもよいと思っていないか
- その6 車いすや歩行補助具は一般的な寸法でよいと思っていないか
- その7 車いすクッションを軽視していないか
- その8 電動車いすの存在を忘れていないか
- その9 トランスファーボードは使いにくいと思っていないか
- その10 院内にある用具がすべてだと思い込んでいないか
基本動作の落とし穴10
- その1 関節運動を記述するだけの動作分析になっていないか
- その2 起き上がり練習で力学を無視していないか
- その3 ベッドへの臥床動作を忘れていないか
- その4 難易度の高い課題を介助しながら実施していないか
- その5 立ち上がりの際の重心と支持基底面を無視していないか
- その6 着座の際に尻もちをつかせていないか
- その7 床上動作を忘れていないか
- その8 車いすを平行棒内につけていないか
- その9 立脚期後半の股関節伸展不足の原因は股関節伸筋だと思っていないか
- その10 過介助によってバランスの学習を阻害していないか
ADLの落とし穴10
- その1 リハビリテーション室のみで歩行の評価・練習を済ませていないか
- その2 座位での体幹前傾が必要な動作は起立動作だけだと思っていないか
- その3 立位で支持物から手を離した際に支持基底面が狭くなっていないか
- その4 トイレに連れていける患者にテープタイプ紙おむつをつけていないか
- その5 失禁時の尿とりパッド交換の練習を忘れていないか
- その6 手洗いを軽視していないか
- その7 食事場面の環境設定を軽視していないか
- その8 入浴動作の評価・練習を忘れていないか
- その9 移乗練習をリハビリテーション室で実施していないか
- その10 2足1段の手順を教えるだけの階段昇降練習になっていないか
チームアプローチの落とし穴10
- その1 協業と専門性の兼ね合いで悩んでいないか
- その2 ケアスタッフへの依頼や提案が唐突になっていないか
- その3 依頼する動作の介助や評価のポイントがあいまいになっていないか
- その4 体格差を考慮せずにケアスタッフに介助方法を伝達していないか
- その5 カンファレンスで心身機能面の目標ばかり報告していないか
- その6 他職種が行う評価について知る必要はないと思っていないか
- その7 先輩に依存的な態度を患者にみられていないか
- その8 カルテやメールにネガティブな内容を記載していないか
- その9 自分の担当患者のことだけを考えればよいと思っていないか
- その10 同僚に対する不満をこぼしてはいないか
退院準備の落とし穴10
- その1 家族の信頼を失う言動をしていないか
- その2 家庭訪問は自分たちの準備さえできれば行けると思っていないか
- その3 ベッドの設置場所の検討では北枕を考慮しているか
- その4 歩行は病棟内で自立していれば自宅でも自立できると思っていないか
- その5 ケアマネや改修業者は提案どおりに動いてくれると思っていないか
- その6 申し送り書に必要な情報が不足していないか
- その7 セルフエクササイズの指導が退院直前になっていないか
- その8 「家族が施設希望」と聞いてすぐに自宅退院をあきらめていないか
- その9 一概に長く入院したほうがよくなると思っていないか
- その10 退院後はセラピストの想定どおりの生活になると思っていないか