夢幻の空間―半側空間無視の評価と治療

編集
:網本 和
ページ数
:340頁
判型
:A5判
ISBN
:978-4-908933-24-0
定価
:本体4,000円+税
発行年
:2019年9月


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内容

 シリーズ第2弾は、全貌が未解明の半側空間無視に挑む!!

 半側空間無視は、主に右半球障害で生起する高次脳機能障害の中で最も頻度が高く、またADL自立を阻害する徴候としても重要視されている。セラピストであれば、本症例に初めて出会った時の驚きは、忘れられない経験と思われる。なぜ、彼らは右ばかりを向いているのだろうか。食事の時も、茶碗に盛られたご飯の右側だけを食べて左側を残す、という衝撃的な光景もまれではない。1979年にHeilmanらによって「Clinical Neuropsychology」が出版され、この分野における唯一の情報源だったが、この40年の進歩と展開は目覚ましく、その治療に関する知見も飛躍的に集積しつつある。

 本書では、半側空間無視の臨床特性および病態基盤を考慮した評価・メカニズム・関連症状・治療アプローチを実践的に解説。さらに、プリズムアダプテーションからヴァーチャルリアリティといった最新の理論から導く応用技術について、具体的な方法を容易に学べるよう工夫されている。初学者だけでなく、十分な経験を有する理学療法士および作業療法士、医療従事者にとっても、真に役立つ必読書である。

目次

第Ⅰ章 序論─夢幻の空間
第1節 プロローグ
第2節 半側空間無視の捉え方
第3節 治療的接近─プリズムアダプテーションのインパクト

第Ⅱ章 半側空間無視の臨床像と評価
第1節 半側空間無視の特性と評価
  • 1. 机上評価の特性(適応・限界)
  • 2. 行動評価の特性(適応・限界)
  • 3. 姿勢動作の評価─バランスとの関連
第2節 半側空間無視の責任病巣とメカニズム
  • 1. 責任病巣の歴史
  • 2. メカニズムの仮説
第3節 半側空間無視の機能予後

第Ⅲ章 半側空間無視の関連症状
第1節 病態失認と半側空間無視
第2節 半側身体失認・身体パラフレニアと半側空間無視
第3節 Pusher 現象と半側空間無視

第Ⅳ章 半側空間無視の治療アプローチ
第1節 半側空間無視の治療総論
第2節 トップダウンアプローチ
  • 1. 非侵襲的脳刺激アプローチ─経頭蓋磁気刺激(rTMS)・経頭蓋直流電気刺激(tDCS)
  • 2. ミラーアプローチ
第3節 ボトムアップアプローチ
  • 1. プリズムアダプテーション(PA)・バーチャルリアリティ(VR)
  • 2. 体幹回旋
  • 3. 頸部電気刺激
  • 4. 振動刺激
  • 5. 直流前庭電気刺激(GVS)
第4節 リハビリテーションの実際
  • 1. 座位バランス・立位バランス
  • 2. 歩行(装具療法を含む)
第Ⅴ章 症例提示
第1節 急 性 期
  • 1. Pusher現象に対する治療で半側空間無視の症状が改善した症例
  • 2. 右被殻出血により左片麻痺と半側空間無視を呈した症例
第2節 回 復 期
  • 1. 重度の注意障害と前頭葉症状を呈した半側空間無視症例
  • 2. さまざまな空間位置で左半側空間無視を呈した症例
  • 3. Head Mounted Display(HMD)による介入で改善がみられた症例

書籍