疾患別リハビリテーション リスク管理マニュアル 第2版

編集
:聖マリアンナ医科大学病院リハビリテーションセンター
筆者
八木麻衣子 寺尾詩子 小野順也 畑中康志 堅田紘頌
   武市尚也 笠原酉介 吉沢和也 渡邉紗都 横山仁志 
   渡邉陽介 松嶋真哉 小林孝至 平木幸治 海鋒有希子 
   西山昌秀 大森みかよ 田口さやか 鈴木智裕  
   近藤千雅 杤本しのぶ(執筆順) 
ページ数
:500頁
判型
:A5判 1色
ISBN
:978-4-908933-36-3
定価
:5,280円(本体4,800円+税)
発行年
:2022年2月


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内容

 最新の各ガイドラインおよび知見を吸収して4年ぶりのブラッシュアップ!!

 「リスク管理がリハビリテーションのゴールを変える」を指針とした本書は,1980年代から40年以上にもわたるリハビリテーションの知識と経験を蓄積し,そのノウハウを取捨選択してまとめ上げた極意書である。常にこれまでの常識は通用するのか,新しい根拠と理論が生まれていないのかを追及し,最大限の効果・結果を示してきた筆者らが,現場で遭遇することが多い問題を厳選し,エビデンスに基づいた知識から考えられる特有のリスク,および重複する他疾患の禁忌事項を豊富な図表でわかりやすく解説。また近年,耳目を集めるICUおよび腎疾患,せん妄,がん,サルコペニア,リハ栄養なども収録。 リハビリに関わるすべての職種にとって,リスク管理を配慮した具体的なリハビリテーションの流れと治療技術の全ノウハウを曝け出した臨床バイブルである。日々の臨床の確認と研鑽には,この一冊があれば間違いはない。

目次

第Ⅰ章 脳血管障害・せん妄
A. 脳梗塞
  • 1. 脳梗塞の概念
  •  1)脳と脳動脈の構造
  •  2)脳梗塞の病型と特徴
  •  3)急性期治療
  •  4)急性期における全身管理
  •  5)二次予防の治療
  • 2. 特異的リスク
  •  1)虚 血
  •  2)神経症状の増悪
  • 3. リスク管理とモニタリング
  •  1)画像診断
  •  2)血 圧
  •  3)心拍数・不整脈
  •  4)自律神経症状
  •  5)呼 吸
  •  6)フィジカルアセスメント
  •  7)モニタリング
  • 4. 最近のトピックス
  •  1)ニューロモデュレーション
B. 脳出血
  • 1. 脳出血の概念
  •  1)脳出血の原因と経過
  •  2)脳出血の治療
  • 2. 特異的リスク
  •  1)血腫増大・再出血
  •  2)頭蓋内圧亢進
  •  3)てんかん
  • 3. リスク管理とモニタリング
  •  1)離床開始基準
  •  2)慎重に離床を進めるべき症例の状態と対応
  • 4. 最近のトピックス
  •  1)脳卒中後うつとアパシー
C. クモ膜下出血
  • 1. クモ膜下出血の概念
  •  1)クモ膜下出血の原因と特徴
  •  2)重症度分類
  •  3)臨床症状
  •  4)急性期治療
  • 2. 特異的リスク
  •  1)脳血管攣縮
  •  2)水頭症
  • 3. リスク管理とモニタリング
  •  1)画像所見
  •  2)離床時のモニタリング
  • 4. 最近のトピックス
  •  1)遅発性脳障害
D. 高次脳機能障害
  • 1. 高次脳機能障害の概念と定義
  • 2. 高次脳機能障害の分類
  •  1)失語症
  •  2)失 行
  •  3)視覚性失認
  •  4)半側空間無視
  •  5)運動無視・運動維持困難・病態失認(片麻痺に対する)・半側身体失認(身体無視症候群)
  •  6)注意障害
  •  7)記憶障害
  •  8)前頭葉機能障害
  •  9)小脳性認知情動症候群
  • 3. 評 価
  •  1)情報収集
  •  2)スクリーニング検査
  •  3)掘り下げ検査
  • 4. 最近のトピックス
  •  1)高次脳機能障害と転倒
  •  2)高次脳機能障害患者の運転再開
E. せん妄
  • 1. せん妄の概念
  •  1)定義・疫学
  •  2)分 類
  •  3)危険因子
  • 2. 特異的リスク
  •  1)短期リスク
  •  2)長期リスク
  • 3. 評価方法
  •  1)CAM─ICU
  •  2)ICDSC
  • 4. 最近のトピックス
  •  1)せん妄と非薬物的アプローチ①─リハビリテーション
  •  2)せん妄と非薬物的アプローチ②─その他
第Ⅱ章 循環器疾患
A. 虚血性心疾患
  • 1. 虚血性心疾患の概念
  •  1)疾患概念と疫学
  •  2)冠危険因子
  •  3)虚血性心疾患の治療
  • 2. 特異的リスク
  •  1)心ポンプ機能
  •  2)心筋虚血
  •  3)不整脈
  • 3. リスク管理とモニタリング
  •  1)リスク管理
  •  2)モニタリング
  •  3)心筋梗塞後における急性期プログラムの実際
  • 4. 最近のトピックス─虚血性心疾患における二次予防
  •  1)高血圧
  •  2)脂質異常症
  •  3)糖尿病
  •  4)肥 満および体重管理
  •  5)喫 煙
B. 心不全
  • 1. 心不全の概念と基礎疾患
  •  1)弁膜症
  •  2)心筋症(拡張型心筋症,肥大型心筋症)
  •  3)不整脈疾患
  •  4)高血圧性心疾患
  • 2. 特異的リスク
  •  1)心機能障害
  •  2)代償機構
  • 3. リスク管理とモニタリング
  •  1)心不全の病型分類と病態把握
  •  2)画像所見
  •  3)標準12誘導心電図・ホルター心電図
  •  4)血液生化学検査
  •  5)治療状況
  •  6)モニタリング
  •  7)リハビリテーションプログラム
  • 4. 最近のトピックス
  •  1)高齢心不全患者に対する効果指標の変遷とリハビリテーション介入効果
  •  2)HFrEFおよびHFpEFに対するリハビリテーション介入効果
C. 心臓外科術後
  • 1. 心臓外科術後の概念
  •  1)冠動脈バイパス術
  •  2)弁置換術および弁形成術
  • 2. 特異的リスク
  •  1)術後心不全
  •  2)術後呼吸器合併症
  •  3)中枢神経障害およびせん妄
  •  4)感染症および創部感染症
  •  5)ドレーンおよびルートトラブル
  •  6)刺激伝導異常
  • 3. リスク管理とモニタリング
  •  1)循環動態
  •  2)画像所見(心不全,胸水貯留,無気肺)
  •  3)生化学検査(抗凝固療法,術後貧血)
  •  4)周術期の薬物療法
  •  5)リハビリテーション介入の実際
  • 4. 最近のトピックス
  •  1)経カテーテル治療におけるハートチームとリハビリテーションのアウトカム
D. 大動脈疾患
  • 1. 大動脈疾患の概念
  •  1)大動脈瘤
  •  2)大動脈解離
  • 2. 特異的リスク
  •  1)再解離と大動脈瘤の進展
  •  2)破 裂
  •  3)臓器虚血と随伴症状
  •  4)術後におけるリスク
  •  5)ステントグラフト内挿入術後におけるリスク
  • 3. リスク管理とモニタリング
  •  1)画像所見
  •  2)血液生化学検査
  •  3)薬物療法
  •  4)フィジカルアセスメント
  •  5)リハビリテーションプログラム
  •  6)モニタリング
  • 4. 最近のトピックス
  •  1)心血管疾患におけるリハビリテーションガイドラインの改訂
第Ⅲ章 呼吸器疾患
A. 急性呼吸不全
  • 1. 急性呼吸不全の概念
  •  1)集中治療領域による呼吸不全
  •  2)周術期による呼吸不全
  • 2. 特異的リスク
  •  1)呼吸不全
  •  2)呼吸療法に伴うリスク
  •  3)周術期における特異的リスク
  • 3. リスク管理とモニタリング
  •  1)リスク管理
  •  2)モニタリング
  • 4. 最近のトピックス
  •  1)ICUの早期リハビリテーション
  •  2)PADISガイドライン
  •  3)周術期管理におけるフレイル
B. 慢性呼吸不全
  • 1. 慢性呼吸不全の概念
  • 2. 特異的リスク
  •  1)運動療法時のリスク
  •  2)慢性呼吸不全の呼吸療法
  •  3)慢性呼吸不全の急性増悪
  • 3. リスク管理とモニタリング
  •  1)画像所見
  •  2)呼吸機能検査
  •  3)心電図
  •  4)血液生化学検査
  •  5)身体所見
  •  6)薬物療法
  •  7)運動時のモニタリング
  •  8)急性増悪のリスク予測および注意点
  • 4. 最近のトピックス
  •  1)慢性呼吸不全の急性増悪時におけるリハビリテーション
  •  2)慢性呼吸不全患者の身体活動性
  •  3)慢性呼吸不全患者における栄養管理
第Ⅳ章 腎臓病
  • 1. 腎臓病の概念
  •  1)慢性腎臓病
  •  2)急性腎障害
  • 2. 特異的リスク
  •  1)保存期慢性腎臓病患者
  •  2)透析患者
  •  3)急性腎障害患者
  • 3. リスク管理とモニタリング
  •  1)保存期慢性腎臓病患者のリスク管理
  •  2)透析患者のリスク管理
  •  3)急性腎障害患者のリスク管理
  • 4. 最近のトピックス
  •  1)診療報酬「高度腎機能障害患者指導加算」
  •  2)腎臓リハビリテーションガイドライン
第V章 糖尿病
  • 1. 糖尿病とは
  •  1)糖尿病の概念
  •  2)糖尿病の診断
  •  3)糖尿病の合併症
  •  4)血糖コントロール指標
  •  5)糖尿病の治療目標と血糖コントロール
  • 2. 特異的リスク
  •  1)急性合併症
  •  2)慢性合併症
  • 3. リスク管理とモニタリング
  •  1)シックデイ
  •  2)低血糖
  •  3)糖尿病性ケトアシドーシスと高血糖高浸透圧症候群
  •  4)感染症と周術期のリスク管理
  •  5)糖尿病性神経障害のリスク管理とモニタリング
  •  6)糖尿病網膜症のリスク管理とモニタリング
  •  7)糖尿病性腎症のリスク管理とモニタリング
  •  8)糖尿病性足病変のリスク管理とモニタリング
  • 4. 最近のトピックス
  •  1)高齢糖尿病患者と認知機能障害
  •  2)糖尿病と身体機能障害
  •  3)糖尿病性腎臓病という概念
  •  4)連続グルコースモニタリングシステムの普及
第Ⅵ章 整形外科疾患
A. 観血的治療
  • 1. 観血的治療におけるリハビリテーションの概念
  •  1)術前後の管理と早期離床
  • 2. 観血的治療におけるリスク
  •  1)不良肢位の保持
  •  2)脱 臼
  •  3)感 染
  •  4)深部静脈血栓症と肺血栓塞栓症
  •  5)人工物挿入によるリスク
  •  6)疼 痛
  •  7)休薬によるリスク
  •  8)浮 腫
  • 3. リスク管理とモニタリング
  •  1)荷重および関節可動域練習に注意が必要な例
  •  2)単純X線および術中所見
  •  3)血液生化学検査
  •  4)疼 痛
  •  5)心拍血圧反応(離床時のモニタリングの注意点)
  •  6)ADL指導の注意点
  • 4. 最近のトピックス
  •  1)人工関節術後のスポーツ活動について
B. 非観血的治療
  • 1. 非観血的治療が選択される整形外科疾患
  •  1)椎体骨折
  •  2)化膿性脊椎炎
  •  3)大腿骨頸部骨折および大腿骨転子部骨折の偽関節療法
  •  がんによる骨転移
  • 2. リスク管理とモニタリング
  •  1)骨強度
  •  2)画 像
  •  3)疼痛評価
  •  4)フィジカルアセスメント
  •  5)患部保護および疼痛軽減のための注意点
  • 3. 最近のトピックス
  •  1)PEACE and LOVE
第Ⅶ章 加齢と転倒
  • 1. 転倒の概要
  •  1)転倒の現状
  •  2)転倒がもたらす弊害
  • 2. 転倒の危険因子
  •  1)年齢および性別
  •  2)転倒歴
  •  3)起立性低血圧
  •  4)薬 剤
  •  5)視力障害
  •  6)認知機能と心理機能
  •  7)関節可動域
  •  8)下肢筋力
  •  9)歩行能力
  •  10)環境因子
  • 3. 転倒予防のための主なパフォーマンステスト
  •  1)STRATIFY
  •  2)Dynamic gait index(DGI)
  •  3)Performance oriented mobility assessment(POMA)
  •  4)Berg balance scale(BBS)
  •  5)Timed up and go test(TUG)
  •  6)Functional reach test(FRT)
  •  7)Four square step test(FSST)
  •  8)直立検査
  •  9)Short physical performance battery(SPPB)
  •  10)実際の移動場面の評価
  • 4. 最近のトピックス
  •  1)フレイル
  •  2)サルコペニア
  •  3)今後の展望
第Ⅷ章 摂食嚥下障害
  • 1. 摂食嚥下障害の概念
  •  1)摂食嚥下に関連する器官・筋・神経
  •  2)摂食嚥下の期(ステージ)と障害
  •  3)原因と疾患
  •  4)経過と予後
  • 2. 評 価
  •  1)情報収集
  •  2)スクリーニング検査
  •  3)詳細な検査
  •  4)摂食場面の評価
  •  5)摂食状況の評価尺度
  • 3. リハビリテーションと治療
  •  1)間接訓練(基礎訓練)
  •  2)直接訓練(摂食訓練)
  •  3)気管切開患者の摂食訓練の進め方
  •  4)外科的治療
  • 4. リスク管理
  •  1)評価時および訓練時
  •  2)栄養管理
  •  3)誤嚥性肺炎の予防
  •  4)嚥下機能を低下させる薬剤の確認
  • 5. 最近のトピックス
  •  1)摂食嚥下障害とサルコペニア

書籍