悩めるセラピストへ―下町的指南書
- 著者
- :福井 勉
- ページ数
- :164頁
- 判型
- :四六判 1色
- ISBN
- :978-4-908933-03-5
- 定価
- :1,650円(本体1,500円+税)
- 発行年
- :2017年3月
内容
お節介かもしれないが、伝えたいことがある!
セラピストは、人が存在するからこそ活きる仕事。その本質を理解するためには、自分を適切に制御し、相手の心を判断することが大切である。つまり、人のために貢献することが大切であろうと、筆者は述べる。言葉で述べるのは簡単だが、なかなか難しいものである。
リハビリテーションにおける運動器(バイオメカニクス)といった分野では、著名な筆者であるが、実は東京下町育ちのお節介文化に育った人情味溢れる人である。長年、セラピストとして臨床と教育現場を駆け回ってきたいま、セラピストとして悩める若い人たちの踏み石となりたいという熱意から生まれたのが本書である。筆者自身のさまざまな成功体験や失敗体験のエピソードを交えながら、ユーモアでわかりやすく、また時に熱く、座右の銘「尻の穴を広げる」をモットーに、臨床・研究・教育・創造性について語る希有の一冊である。
目次
第Ⅰ部 臨床・研究・教育・創造のヒント
第1章 臨床のヒント
- 理学療法士・作業療法士の発祥から現在
- 個人の成長とは
- 理学療法・作業療法のリテラシー低下
- 優れた臨床家の特徴とは
- 理学療法士という道を選んだ理由
- ターニングポイントは突然きた
- どのようにすれば自信がつくのか
- 人の器と尻の穴
- 選択力を磨く
- 異国文化が可能性を広げる
- 日本のセラピストの特徴
- 実習生も感じている
第2章 研究のヒント
- 医療言語の標準化がもたらす恩恵
- 研究する意味とは
- 情報整理の重要性
- 研究で最も大事なことは?
- これからの研究と技術の追求
- 研究のグローバル化と発信
- 研究の阻害因子とバランス感
- 若いセラピストへのお願い
- 学会でみる奇妙な人たち
- まな板の上の鯉へ
第3章 教育のヒント
- 自分が達成したいもの
- 熱い臨床家の憩いブラッシュアップコース
- 選択する力を育てる
- スープの熱さは飲んでから計れ
- すべては臨床実習から
- 実習(臨床)で悩んでいる時には
- 反省は深く短く30秒
- 落ち込みが優れた臨床家を創る
- 井の中の蛙大海を知らず
- 理学療法・作業療法のグローバル化
- 中身が大事な時代へ
第4章 創造のヒント
- 創造性とは
- 逆π型とトレーニング・プロセス
- 創造性を培うには
- 私の創造①
- 私の創造②
- 教育も創造性
- 熱こそが成功の条件
第Ⅱ部 尻の穴を広げるために
第5章 尻の穴とは
- 驚きによる枠(尻の穴)の拡大
- サービス
- 教養とメタ認知
- 自分の尻の穴
- コントロールは可能か不可能か
- コントロールされる自分
- エネルギーの向け方
- 龍馬の尻の穴
第6章 尻穴拡大計画
- 目標をもつことは何のため
- まずは好きなことから始める
- 部活と同じ!?
- 「後でやろう病」に対する処方
- 目標の複数化
- 1日を2倍に
- 上手な道具と時間の使い方
- 締め切りの有効活用
- 時間管理の落とし穴
第7章 尻の穴を広げるケツ論
- 学生にいわれたひと言
- 清濁呑んで濁を出す
- 尻の穴講習会
- 自問自答が導く尻の穴拡大
- 素敵な人と残念な人
- 鳥瞰図的自己認識
- 悩むから止まるのではなく止まるから悩む
- 1日の振り返り
- セラピストという仕事の再確認
- あとがき