国際的に脳卒中リハビリの主流になっているCIセラピーをご存知でしょうか。２週間麻痺肢を実生活において集中して使用するように促し、その使用を生活へと汎化するように導くエビデンスに基づいた治療法です。講師は15年間CIセラピーを学び実践してきましたが、独自のハンドリング技術などを用いた徒手的アプローチと行動変容アプローチでCIセラピーを発展させた新しい治療法を考え「タナベセラピー」を考案しました。
　では、なぜCIセラピーではなくタナベセラピーを学ぶべきなのか。特にCIセラピーは米国文化に対応させた治療方法になります。しかし、日本の診療報酬制度下での実践には難しいものがあります。CIセラピーは１日に長時間の治療を必要とし、それを可能とする施設は現状少なく、だからこそ日本と海外の違いを埋め、最大限の脳の可塑性を生み出すタナベセラピーが有効なのです。なお、実技編ではハンドリング等の技術を講師から直接教わることができます。
　毎日のADL動作が変われば、１日が変わり、脳が変化します。決して難しいアプローチではありませんので、明日からの臨床に活かせていただければ幸いです。

講師：田邊浩文

所属：湘南医療大学保健医療学部リハビリテーション学科 教授